9158シーユーシー弱い来期予想→暴落からの…

4/30決算発表

まあまあサプライズ感ある来期予想の弱さ。

特に、どのセグメントも、2/2の来期予想(見通し)のトーンから急に弱く変わった印象。特にメイン事業セグメントの医療機関国内とホスピスで目立つ。以下の通り、両セグメントともに営業利益で右肩上がりと明確に書いてある。

前回2/2の上の表の「医療機関国内とホスピス、営業利益は右肩上がり」見通しからの、今回4/30発表は以下の通り。医療機関国内とホスピスは、ともに営業利益で大幅マイナス予想に。(サプライズ)

3ヶ月でこの激辛予想への急変。

2025の1~3Q限りで割引してた医療機関セグメントが立ち直る件は?さらにM&Aが増えるのを見込む話はどこへ消えた?ホスピスの立ち上げが減るから初期赤字施設激減して大幅利益増フェーズだったはずでは?そして突然「採用費用等の先行投資の増加」って何?説明不足な箇所が多すぎる。

↓ペータさんもキレてる。

特に、不動産売却益2件で営業利益を14億円以上かさ増ししていたのがなくなるので、営業利益の落ち込み方は58→38(-20億)と、激しく見える。てか、それを差し引いても、営業利益は44→38億で、右肩上がりの矢印(2/2の表)と全く整合性がない。

また、2/2には、米国事業について、2027/3期は長期的な成長に向けた種まき期間だとは言っていたが、今回は急に、グループ全体で種蒔き期間だと言い方が変わった。

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2/2から今回の変わった点

  • 全セグメントで予想が突然弱気になった
  • 弱気に変わった理由がほとんど説明されていない。(従来はこの会社はその辺はすごく丁寧に説明する会社だった。)

これは、不誠実だ!と怒るのは簡単だけど、なんかおかしい気がする。違和感が。

違和感。不思議さ。

  • 親会社のエムスリーがこんな雑な説明でOK出したのが不思議すぎる。事前説明はしているはず。こういうの、日本一細かく鬼詰めしてくるタイプの会社なのに。
  • 仮に2027/3期を2028/3期以降の飛躍のための種蒔き期間ですと位置付けるなら、なぜ同時に中期経営計画や、成長性の定量的な説明を同時に出さないのか。株価に配慮がある会社なら普通出すし、エムスリーもそう言うし、そう言う説明を出すのが一般的なIRの動きだと言うことを、このレベルの会社が知らないわけもないが、不思議と出さない。2027/3期は凹むけど、それ以降はこれくらいの利益が出る(幅で示すことが多い)計画だから、ご理解ください、と。
  • ちなみに同業の日本ホスピスは似たような想定(診療報酬改定によりマイナス25%)を置いているが、そこまで業績がボロボロになる予想はしていない。(ただし、日本ホスピスの想定が毎回あてにならないと言う問題もあるw)
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IRに電話して聞いてみた

  • なぜ医療機関国内、2/2見通しと違って下げ予想なの?→制度改定があり色々と対応が必要なので、保守的に想定することとした。
  • M&Aは、2/2見通しでは前期比で増やすと書いてたけど、どう想定してるの?→やっぱり前期比で同じと見込むことに変更しました。保守的に考えたく。
  • ホスピスは、保守的に想定することにしました。新規開設も多いですし。
  • 実はイラン戦争の影響みてる?→特にみてません。
  • 今期も下期変調の見込みです。

→なんか一貫して2/2時点でわかってた材料しか無いように思った。そこから「やっぱ保守的に想定することにしました」とだけ言い出した印象。ちなみに過去にも電話で色々聞いたけど、トーンが変わった気がする。

株価

5/6はほぼストップ安。しかし出来高は多く、80万株超え。6億円以上。最後は少し反発した。2/2の期待値からの落差で、シーユーシーへの不信感MAXという雰囲気。

Geminiに誰が買ってそうか聞いたら、空売りの利確はそれなりにいるだろうが、80万株も出来高あるなら、普通に拾ってる投資家もそれなりにいそう、とのコメント。たしかにそんな気がする。

↓なんかちょこちょこ拾っている感のある15:21の板。

色々考える(Geminiと延々と議論)

  • 今回突然ガイダンスを弱気に変更・豹変したのは、理由は2つ考えられる。①本気で弱気に変更せざる得ない何かが起こった。②株価を抑えようとする意図がある
  • ①は可能性が低い気がする。なぜなら、もしそうであれば、理由を具体的に詳しく書くだろうと思われる(当然エムスリーも書けと言ってくる)。IRも特に具体的な材料も無くて「(2/2から考え方が変わって)やっぱ保守的に想定することにしました」と言ってるだけ。徹底的に隠したい悪材料が出てきたのか?でもそれなら開示すると思うけど。ちなみに、2月末から起こったイラン戦争の影響でインフレが懸念されるとかであれば、それこそ不可抗力&最強の説明(言い訳)なので、経営者としてはまずそれを理由に絶対にあげたくなるはずだが、ちなみに、不思議とどこにもイラン戦争の記載がない
  • ②だと色々辻褄が合う。エムスリーも賛同してるなら一般投資家向けの説明不足とかに何も文句言わないし、シーユーシー自身も「エムスリーのTOBシナリオに沿ってやらされている」んだとしたら、2/2との整合性が全然取れてないのはある程度仕方ないっしょ、とやっつけ感が出ても仕方ない。

→②株価を抑えようとする意図あり、が一定確率であるか。

なぜ株価を下げたい?

そらやっぱ、エムスリーがTOBかけて非公開化するためでは。以下、色々思った(妄想した)こと。

  • 今回のガイダンスは、ストップ安まで意図したものではない気がする。むしろ、単に爆上げを回避したかった位なのでは。そのへんの匙加減は相当難しいはず。株価なんて水物だから。
  • 過去半年くらい株価の平均は900~950くらい?それに40%プレミアムつけたら1300円前後。一方で、足元の株価が、良い予想出すことで例えば1200~1500まで上がってしまってたら、1300円でTOBだとみんな当然NOだろう。1800~2000必要になるかも。そんなに上がるのは嫌だよなー。
  • とすると、抑え目の予想出してれば、上がってしまうシナリオ(1200~1500+プレミアム)よりも程よく割安に(900~950+プレミアム)買えるとか思ってそう。
  • 不思議とイラン戦争に一切言及してないのは、仮にTOBに向けた株価算定を水面下でしてるんなら、「シーユーシーは恒常的に収益性が低いんです」と言い張る必要があり、イラン戦争を挙げてしまうと、じゃあそこは落ち着いたら元に戻るんだから買取株価もうちょい高くなるよねとなってしまうからではないか。
  • 今回の業績予想は、裏で作成中の公開買い付けの価格算定前提資料(安く値付けするため弱気想定)と整合性を取りに行ってる可能性があると思う。今回の「2027.3は構築期間なんですわ」と言ってる発表と同時に、その先の収穫期の中期経営計画や成長性の定数的な説明を何も出さなかったのも、そのためだとすれば辻褄が合う。
  • あと、2025/8~9のストックオプション1219円のラインをどう意識するか。これを割る価格でTOBすると、買わされた役員層の忠誠心は相当下がる懸念があるはず。それなら、別で何らかの報酬出して帳尻合わせてあげてもいいのかもしれないけど、それバレると多分法的にヤバい。「一般株主には損させておきながら経営陣だけ会社から金抜いた」ように見えるから。その点、TOB価格が1219円をそれなりに超えてれば、色々とそのへんの処理が楽ではありそう。(TOBやるなら、かつ役員層の忠誠心を合法の範囲内で維持しに行くなら、1219円は一つのボトルラインかも。)

いつやるか?

  • MBOしがちなケチくさい創業家系の古い会社とかなら、クソガイダンスをチンタラと出し続けて、半年〜1年後後とかに、よくある「過去半年間、過去3ヶ月、過去1ヵ月の平均株価」とかを基準にTOBしにいくと思うが、スピード感のあるエムスリーがそこまで引っ張るかな?と。
  • 半年待って、時価総額を300億から20%下げられたとして(下がるとは限らない)、買い集めるのは30%くらいなんだから、せいぜい買値が90→72億(+プレミアム)になるくらいの話。一方で、半年待つと金利も益々上がりそうだし、あまり行儀悪いことすると、次にエムスリーが資金調達するときに避けられるリスクもあり(1社しか持ってない資金調達も悩んでない成長志向もない古いオーナー企業とかと違ってエムスリーのビジネス拡大意欲と資金需要は今後も続く)、あと、株主にいるファンド系から株価操作したと訴訟されるリスクも。また、そもそも時価総額1兆円のエムスリーからしたら小銭。構造改革スピード感の方が優先度高そう。
  • GeminiによればTOBは準備開始から最速で3ヶ月くらいと言うことなので、3~4月検討開始なら早くて6~7月とか?2/2時点では無さそうだったけど、仮に濱口社長がイラン戦争で心が折れたのが契機だとすると、早くて3/中下旬あたりから検討開始?
  • 2028/3は利益が良くなるとすると、そこまで引っ張れないか。ちなみに1~2Qの数字を実際に悪くすることは簡単だと思う。それこそ今回突然説明資料に書き始めた通り、採用コストとかを前倒しでガンガン使えばいいだけだから。1Q、2Qの数字を悪く見せるためにも、実際にそうするとも思う。IRが「今期も下期偏重」と言ってたのも、その布石の可能性があると思う。とはいえ、前倒しでコストをかけると、その分後からはコストが軽くなるので、いつかは利益が「出てしまう」ことになる。
  • ファンド系投資家から、今回の決算説明にダメ出しされて、中期経営計画とか出して株価対策しろとか詰められる可能性もあると思う。長々とは誤魔化しきれないか。

なんで非公開化する?

もはや上場してる意味なくなったよね、ここ。

  • 延々と株価が安く放置されてる。最初だけ一瞬5000円とかいったけど、ここ1~2年は公開価格1920からはるかに下のまま。経営層からしたら、結構成長できてるのになぜ…と、プライドも含めて思ってるはず。
  • 元々は「キラキラ感で高い株価になり公募増資しては成長投資資金をどんどん得る」想定・期待で2023に上場したんだと思うんだけど、もはやその目的が全然果たせてない。あの頃はアンビスも株価超凄かったから、エムスリーグループのホスピス!と名乗れば錬金術的に好条件で公募増資できそうと期待してもおかしくない。
  • アルファパーチェスとかニッポンインシュアみたいに、顧客から業者選定してもらうときに上場していると言うことが有利に働くと言うことも、ビジネス内容的に特にない。ホスピスで賃貸借契約を結ぶ時でも、単にエムスリーの子会社と言うことで与信は十分だと見てもらえる。
  • イラン戦争でエグいインフレ確定なので、今後しばらくはキツい時期が来るはず。目先で数字を作る難易度上がった。濱口社長、これでもう心折れたんじゃないかな。株価低いしエムスリーはうちでTOBしたいんだけど位に前から言ってきてそうと思ってて、濱口社長の独立心とか意欲が、ここまでの上場継続の原動力だったのかと。少なくとも2/2時点では独立継続でやりたい、株価上げたい、っていう気持ち強烈にあったよね。エグい条件で役員たちにストックオプションも買わせてるし、社長としたら今の株価で経営するのは精神的にもキツいよね。
  • 仮にホスピス業界の再編や、その他有望な領域でどんどんM&Aするつもりがあるなら、シーユーシーの今の株価と借入状況だと資金調達力が全然弱い。でもエムスリーの資金を使えるなら急に幅が広がる。エムスリーからしても、シーユーシーを完全子会社にした上で、シーユーシーにガンガン金渡して企業買収やらせる方が本体のリソース割かずに成長スピード上げられるので、望ましい。でも今の資本構成(62%しか持ってない)だと、外部株主に果実を流出させたくないし微妙。
  • 既にエムスリーは62%持ってて、濱口社長が6%だから、2/3以上抑えてるのでスクイーズアウトは簡単にできる。
  • てか、エムスリーって明らかに投資資金余ってんだよね。過去にM&Aしてる会社、介護向けタオルサービス屋とか、結構しょうもない会社が多い。ベネワンは第一生命に横取りされてたけど、あれも提示価格2000億規模だったし。シーユーシー100億で買い戻して、「サイトソリューション領域(エムスリーの中でのシーユーシーの呼び方)」ガンガン金使わせたいでしょ。

↓ちなみにエムスリーの決算説明資料(2026.5.1)。シーユーシーの存在感はかなりデカい。

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じゃあどうするか

  • 放置。でも負けたのは認める。
  • TOB来ない可能性もあるし、半年一年かけてボロカスに下げてから激安TOBされる可能性も、もちろんある。
  • しかしあまりTOBまで引っ張らない気がするんだよな。かつ無茶(出鱈目な押し下げガイダンスとか)はしない。PEファンドとかではないから。PEファンドは顧客投資家様のために、見ず知らずの他の投資家(スクイーズアウトされる既存投資家)に損させることには何の躊躇もないけど、エムスリーは2023年にシーユーシーの売主だったわけで、今後もスピンオフ上場の選択肢を残す観点も含めて、立場的にちょっと微妙。
  • もし売った後でTOBきたらショック。JWSや東京個別指導学院みたいにTOB読めてた(クソガイダンスで露骨に株価を下げにきた)のに、TOBの時にポジションあんま無かったとかのオチは今度こそ避けたい。(こういう思考のときは外れがちでもあるがw)
  • (本当かわからんが)利益改善すると言っている2028/3期以降まで待ってても、ここまでくるともはや誤差。他にどうしても買いたい銘柄も、そんなに無いし。

↓なつかしの東京個別指導学院TOB予想

↓JWSのTOBのときの振り返り

今回の反省、振り返り

  • 今回、株ポートフォリオでは過去最大のダメージ受けた。反省点など。
  • 過去に成功したパターンは、買った当時で時価総額が100億以下の、ビジネスがダサ目でシンプルなものばかりだった(木村工機とか守屋輸送とか)が、今回は少し大きく(300億とか)、ビジネスも複数あり、特に米国事業は私にはほぼ未知だった。(今後はそこの比率が上がっていく見込み。)
  • 2024の時点で、介護というセクターが逆風なのは気づいていた。建設がやたら良いことも(それもあり2024はタワマンに大幅に資金を移して、そっちはうまくいった)。しかし濱口社長とか、エムスリーグループらしいビジネス運営のシャープさとかが魅力的すぎて、そっちを優先してしまった。彼らなら多少逆風でも勝てるだろと。介護・不動産は自分がまあまあ詳しい領域だったので、「自分が他人より詳しいところでこそ勝負するんだ!」という気持ちが強すぎたのかも。
  • どれだけ経営者が有能でも、バフェットの言っている通り、「バカでも儲かる事業」であることの方がそもそも重要だったということなのかと。ゼネコン空調、みんな爆上がりしてるし。どこも経営層は普通のおじさんだけど、バカでも儲かるフェーズの事業だった。建設系に資金回してなかった機会損失の方が悔しい。
  • しかし2/2の強気ガイダンスと、濱口社長の必死な説明は一体何だったんだ?あれで頭の片隅にあったTOBシナリオは消してしまった。
  • とはいえ、負け惜しみでしかないものの、どこまで行っても株価は水物なので、展開次第ではここが跳ねた世界線もあったようにも思う。アンビスやサンウェルズの悪事に巻き込まれたり、運も無かった。というか、4/30でいい感じの来期予想が出て株価も上がるとまあまあ期待してたのに、残念。