なんか最近中堅ゼネコンが狙い目な気がするんですよね。理由は以下の通り。
- 2024年問題もあり、2024/4から人手不足が加速的に深刻化していて、日本全体でできる工事の総量が急にまあまあ減ってしまった。
- 業界の中の人の多くは、2024/3以前には「2024年問題で、いろいろルールが厳しくなるにしても、お客さん、ひいては社会の動きを止めるわけにはいかないんだから、無理を押しても一定程度今まで通り進めざるを得ないんだから、ある程度ルールを破るしかないだろう」というノリだったが、いざ2024/4以降になると、想定外にルールが厳しく運用されて、現場が大混乱しているケースが多いらしい。
- その一方で、アベノミクス以来の利益をたっぷりため込んだデベロッパーは開発したくて仕方ない(JTCサラリーマンなので、毎年前年度比で少しでも売上・利益成長してる絵を書かないといけないというマインドも強く染み付いている)ので、まぁまぁ高い工事費でも普通に発注してくるらしい。となると、総工事件数減るけど、それを補ってあまりあるほど、ゼネコンの利益率はかなり上がりそうな雰囲気。
- 2022年あたりから原材料費の高騰が原因で大きな損失を出したゼネコンが複数社出たが、株主から経営層が(当然に)怒られたり、村上ファンドに狙われる会社も出てきたりして(三井住友建設とか)、業界全体でその反省を踏まえて、安い受注はタブーと言うマインド(本来当然の意識)が広がっている。
- スーパーゼネコンは巨大プロジェクトを受注していることが多いが、工期が3年とか5年とかになるのと、その間の物価上昇は全てゼネコンが負担する契約が2022以前は一般的だったので、清水建設のように、後になって物価上昇を全て被弾させられて大赤字工事になってしまうリスクが高い。(ただし最近はようやく物価上昇をデベロッパーに一定程度負担してもらうような条件で握っているらしい)。
- その反面、中堅ゼネコンであれば、そこまで巨大な案件はやらない(やれない)ので、そっち系のリスクが限定的か。
五洋建設(1893)
ここは中堅というか準大手でしょうか。以下の点が良いように思う。
- 割安。四季報予想PER8台。下のチャートの通り、いい感じに下がってる。
- 2023年に資材価格高騰の影響で危うく赤字転落しかけた。いい感じに反省して学んでいるはず。
- 他のゼネコンと違い、海洋系のエキスパート。空港とか港とか洋上風力とか。得意分野が明確にある。しかもこの分野は、防衛銘柄要素があり、トランプ大統領になったこともあって、一層期待感もある。最近はスーパーゼネコンも海洋系の工事をやれるよう勉強したり、設備投資しているらしい。儲かりそうな分野。
- 都内のマンションやホテルも多く建設している。今から受けるならものすごく利益率高く受注できると思う。
- 飯田橋の北口に自社ビルがあり、そこが再開発にかかっている。既に持っている不動産の価値が爆上がりする予感。
あと、海の仕事をできるゼネコンという意味で、五洋建設のライバルは、東洋建設と東和建設、あとまあせいぜい若築建設らしいが、以下の通り、比較すると五洋建設は相対的に割安に見える気がする
今年に自社株買いもしている。単価652円で20億使ってる。株価を上げようと言う意識がちゃんとあって、かつ、株価が650円では安すぎると考えている模様。
東洋経済「MBOしそう」リスト
以下のようなリストが出ていた。このうち、緑のマーカーで塗った会社を見ていきたい。発想としては、利益改善が見込めて、それ要因で株価上昇が期待できる銘柄で、かつ、ワンチャンMBOでプレミアムも期待できるところとかどうだろう、という感じ。
ナカノフドー建設(1827)
ここは中堅ゼネコンと位置付けられる会社だと思います。
- PER8くらいで、ほぼ無借金。時価総額175億円しかないのに、現金が260億円、有価証券が45億円あって、市谷駅前に自社ビルも持っている。
- 中堅ゼネコンとして知名度があり、都内でも多くの工事をやっている。ここから儲かると思う。
- オーナー一族の大島家が50%くらい実質支配していると思う。きちんと利益を出していこうと言う意識があるはずだし、ワンチャンMBOでプレミアムつけて買ってもらえるオプションもある。
- ちなみに自社株買いは全然やっていないので、個人的にはMBOが怪しいと思っている。第一四半期決算も結構良いが、通期予想は控えめなので、そこも怪しい。もし第二四半期決算がすごく良かったりしたら、いっそう怪しくなる。
続く