都内のマンション価格は全般に上がる流れ
日銀が多少金利を上げたところで、止まらないと思います。理由は以下の通り。
- 日銀の利上げ幅が足りない。インフレ率よりはるかに低い金利しかつけていない。実質金利マイナスをしばらく続ける方針らしい。(多分)
- 工事費の上昇が全く止まる雰囲気がない。ここ半年間、ついに2024年問題が発動したわけだが、労働力供給制約がすごいことになっている。ゼネコンとデベロッパーの立場完全に逆転した印象。ゼネコンが偉い。言い値で仕事を取れる。相見積もりは拒否できる。長期の契約では、工事中の物価連動上昇条項も確実につけるらしい。
- 東京23区で土地の値段が下がったと言う話は聞かない。上がり続けている。デベロッパーに聞いた感じだと、土地の供給が減っているとの事。東京は開発も一巡しているし、低金利でゾンビ企業を無駄に生かしてやるので、土地が出てこないのだろうと推測する。
- 先送りする案件が増えていると聞く。工事費が想定以上に高すぎて着工できない、とか、隣地も地上げして土地が一定以上のスケールになるまでは(工事効率が向上するまでは)着工しないとか。これは供給数の減少につながると思われる。
- 特に設備会社が強気。エレベーター系はそもそも対応できないので断ってる等の話も。
目先の動き
10/21の 「晴海フラッグスカイディオ最終期」と10/7の「豊海タワー一期一次」、この2つの大人気ミスプライス案件の販売が終わると、これに期待をかけて外れた層が1万人とかのレベルで発生して、都内の坪単価400~700万円レンジのマーケットは一気に高騰すると思う。
特に、この3年ぐらい激安なミスプライスでマーケット参加者を惑わせた晴海フラッグが全て販売完了するのは大きなイベントだと思う。これまでも、晴海フラッグの販売が終わる都度、マーケットが急に上がったのが毎回だったように思う。
高値販売スキルナンバーワンの住友不動産は最近露骨に販売をしていない。上の2つの案件が終わるのを待っているのだと思われる。
10/21から動き出す層は、競争が激しすぎて、買えるものがおそらく超少なくなる。またその反対で、10月21日以前は買おうとする人が激減する気がする。
最近は株を買う気がしない
目先は、できるだけ竣工時期の遠い都内好立地の新築マンションに手付けを入れていく投資スタイルの方が株より優位性があると思う。理由は以下の通り。
- 上で述べた通り、目先数年は買えば上がっていく可能性が高いと思う。
- 株よりも参入障壁が高い。手付金を1000万円単位で用意できて、住宅ローンが1億円単位で借りれて、という人は、少数派と思われる。
- 株よりも知っている人が少ない投資手法と思われる。
- 普通の真面目な大手企業のサラリーマンは、怖くてできない人が大半だと思う。そっち系の友人に説明しても、怖くて絶対やらないと言う声が大半。というかほぼ全員。みんな「バブル崩壊」を待つとのこと。(今はバブルらしい。)
- 有利にレバレッジをきかせることができる。株の信用取引のように、短期的な暴落によって追証を求められたりすることがない。住宅ローンなら投資ローンより大幅に低金利で借りることができる。住宅ローン減税や、売却益の3000万円控除等の税制優遇措置も用意されている。
- 手付金は、価格の10%しか求められないので、万が一マーケットが崩壊しても、10%を捨てれば逃げられる。そしてこのように考えるプレイヤー(代表的なのはサラリーマン)は限りなく少ない。つまり競合が少ない。
- その一方で、価格が10%どころか、例えば50%上昇していても、デベロッパーが手付金放棄(倍返し)による契約解除権を行使する可能性は無い。なぜならレピュテーションリスクが高すぎる。そんな「行儀の悪い」事は、大手のデベロッパーにはできない。結果、実質的にデベロッパーが明らかに不利な売買契約が一般的になっている。
- 倍率が高い部屋が割安さの1つの証拠とも考えられ、割安かどうかの見極めが株より簡単。
- 不動産は1点物なので、特に一期一次販売で値付けミスが起きやすい。
- 抽選に参加するのは自分の人件費コストしかかからない。心を無にして、倍率の高い部屋だけ札入れし続ける戦略は有効と思われる。
とはいえ
- いつまでも続けられる手法ではないと思う。住友不動産は5年間の転売禁止条項をつけたりして、転売ヤーを追払いにきている。大手デベロッパーも、株主からのプレッシャーが最近きついので、ちゃんと適正な高値で売ろうとしている気がする。(もちろん工事費の高騰もとても苦しい)
- 三井不動産はついに先着順販売をPTKでやってるようだ。マーケットの天井が来たのではないかと言う声もTwitterの一部で上がっていた。ただしこれはスカイディオや豊海タワーの激安物件が目の前に迫っているから、そちらに皆過剰に期待して、買主が集まりにくいと言う事情があるのではないかと言う指摘がある。