ビズメイツ(9345)②やっぱいい会社な気がする

大成功する会社って

ひとつの考え方として、以下の2つの条件を満たしている会社だと思うんです。

1.誰がやっても成功するようなビジネスをやっている。

2.何のビジネスをやってもたいてい成功できそうな、野心に満ち溢れた人が経営者をやっている。

大成功した経営者について、よく、「彼は運がよかったから、あの優れたビジネスモデルに巡り会えて、だから結果的に大成功できただけだって言う見方もあるよね」といった言われ方をすることがありますが、うーん、まぁそりゃそうだとも思うんですが、それでもやはり、1と2の両方が揃ってこその大成功なんではないかと私は思います。(もちろん適性・向き不向きの視点もありますが、それは1と2よりは影響度の一段低い要素な気がします。)

誰がやっても成功するようなビジネス(な気がする)

こう思うのは、以下の理由からです。

  • 従来型の対面のボッタクリ英会話教室から継続的にシェア・顧客を奪い続けられるビジネスモデル(現に、ここもレアジョブも毎年業績が伸びてる)
  • オンラインでのコミニュケーションツールは、この先どんどん便利にしかならない。延々と追い風が吹いてくる。(ネットは延々早くなるし、端末は延々高性能になるはず)
  • 参入障壁について言うと、もちろんやろうと思えば誰でもやれるけれども、例えば、外食や、人材派遣、不動産仲介、保険代理店、みたいな業界と比べれば、少しハードルは高いように感じられる。(逆に言うと、そういう参入障壁の低い業界でも、世の中的には比較的多くの会社が充分成立している)
  • 例えば日本の個別指導塾のように、「生徒と先生が塾を飛ばしてこっそり直接契約しようとする」的なリスクシナリオも、まず考えにくい。そもそも、教室の家賃を負担しているわけでもないので、直接契約されたとしても総費用がたいして変わらないはずだし、生徒からすれば「自分の空き時間に受講可能な複数の先生から選べる」が大きなメリットなので、特に「塾を飛ばす」インセンティブが無いはず。(逆に言うと、そういう致命的な欠陥のあるビジネスモデルである個別指導塾でも、充分ビジネスとして成立している)
  • 日本とフィリピンと言う遠隔地間の教育ビジネスなので、対面と比べて、人間関係の問題が起こりにくいはず。塾だと、先生と生徒が男女の関係になってしまったり、生徒間で喧嘩トラブルが起こったり、いろいろな問題が起こって、それをフォローするコストが結構かかるはず。それがほぼ不要。
  • 最近、従業員教育的なコストを企業は多くかけるようになっているが、その多くがロジカルシンキングとかコミニュケーションスキルの向上とか、イマイチな人事部の自己満足のプログラムが大半な一方で、オンライン英会話と言うのは、その中では圧倒的にマシなコンテンツ。

何のビジネスをやっても、たいてい成功できそうな野心に満ち溢れた人が経営者をやっている

オーナー社長の鈴木氏は、1977年生まれで、2000年に青山学院大学を卒業しています。この人のその後の経歴を見ると、何のビジネスやってもたいてい成功できるだろうなー、野心家だなー、と言う印象です。

このように思う理由は以下の通り。

  • 青山学院大学卒(高学歴)にもかかわらず、2000年に新卒で先物取引業者(一般論として超不人気な業種)に就職してしまっている。まさに氷河期世代の悲劇。しかしこの逆境が、この社長をハングリーに育てたような気がします。とても純度の高いシビアな環境だったのだろうと想像します(ちなみに経歴ではここはかなりぼかしています。世間一般的な感覚ではキャリアの汚点ということなのでしょう。)。でも、仮に新卒で日系大企業に入れていたら、今の彼はなかったんではないかと思います。というか、時代背景もあり、多分超絶ブラックな職場環境だっただろうと思いますけど、しれっと7年勤め上げてるし。
  • 2社目、30歳で、Yahoo!に行っていると言うのは、「とりあえず成功したい!」と言う気持ちが強い印象です。ちなみに、ここは2年で辞めてます。でもおそらく、ここでの経験が後のオンライン英会話の起業につながったのではないでしょうか。
  • 3社目、32歳でベルリッツに行ってから、英会話教育ビジネスを4年学んで、2012年、35歳で、ベルリッツの優秀メンバーを引き抜いて同業種で起業する。ここがハートの強さを感じます。ベルリッツの経営者からは相当キレられたでしょうし、また、引き抜いた人から「鈴木氏についていこう!」と思わせるだけのものがあったのだろうと思います。
  • 粘り強い心を持っている。ナンバーツーの人のインタビューで、「起業後1年間は収入がなく、鈴木氏との口論も絶えなかった。」という記事がありましたが、自腹で起業してうまくいかなくとも、我慢強く継続して、今のレベルまで会社を大きくしている。ちなみにビズメイツを起業したのは2012年ですが、世の中的にはアベノミクス前で暗い時代だったように思います。今よりは資金調達とか難しかったと思いますし。
  • まだ46歳。バリバリやれる年齢である。
  • ベンチャーキャピタルのエクイティ(と、それに伴う経営支援)を受け入れていないのも好印象。そんなものに頼らずに、成功した果実は全部自分(たち)で享受したいと言う気概・自信・根性だったりを感じます。ちなみに私は、新興企業で大株主にベンチャーキャピタルやファンドががいると、買いたくなくなります。理由は、オーナー社長ではやらない位に質を犠牲にしても規模拡大しようというインセンティブが強いはずですし、上場するときに実力以上に株価を釣り上げるスキルが高いはずですし、どこかのタイミングで大量に売却されて株価が暴落するリスクもありますので。例えばキズナHDとかは絶対買わないです。
  • その一方で、キーマンの2人にきちんと株を持たせている。きちんと金銭的に報いる気持ちを持っているし、モチベーションをしっかり持たせる意識もある。

なぜ上場したのか

ここがどの記事にも実は書いてないんですよね。結構謎なんですけど、それでも、私は以下のように想像しています。

  • 単純に、株価をどんどん上げて、オーナー社長として大富豪になりたい。
  • 仮に高いPERで株価が安定的につくと、M&Aで他の会社を買収する事は簡単になるはずで、この会社であれば、例えば人材派遣会社とかを買収することが考えられるが、人材派遣会社は一般にPERが低めのバリエーションになりがちなはずで、そうすると、手っ取り早く、利益→時価総額を大きくできる。

この私の想像が正しいとすると、鈴木社長は、今後、とにかくPERを高くすべく、死に物狂いで株価対策を頑張るはずです。今のPER15前後というのは、まったくの期待はずれ、想定外だと思いますので。で、現になんとなく、鈴木社長は、このブログで過去にあげている会社の中でも、最も株価対策的な露出が多い社長だと感じます。(まぁこのブログであげてる会社の社長は、大抵株価対策を全然やる気ない人が多いんですが…w)

以上のことから、この会社は、利益面でも成長していきそうですし、PERが大きくなることでの株価上昇が期待できる面もあり、やっぱりいい会社(銘柄)なんじゃないかなーと言う気がしています。

今の株価

以下の通り、公募価格割れで低迷中。