中部地方最大の物流会社
倉庫会社では日本4位と言うことです。会社案内によれば以下の通り。
当社グループは、1895年(明治28年)の創業以来の伝統と確かな実績で、倉庫業、港湾運送業、陸上運送業、国際複合輸送業を中心とした総合物流企業として、国内はもとより、アジア・北米・ヨーロッパなどをはじめとする世界各国において、高品質なトータル・ロジスティクス・サービスを提供しております。
この会社の強み
- 四日市港を本拠地として、中部地方の物流のキーマンとなっている会社。
- 港での仕事は利権が絡むので、新規参入は難しい。
- 四日市港のコンテナの取り扱い量は以下の通り毎年右肩上がりで増えている。(この現象は日本全国の港で見られる)
- 以下の通り既に割安の値段で物流施設をたくさん保有している。これらの不動産の含み益が非常に大きい。例えば関越自動車道の東松山付近で高速からよく見える倉庫をこの会社は保有していますが、あの倉庫は平成19年に建設されていますが、今同じ物を作ろうとすると3倍以上のコストがかかります。
- 物流業は大きな新規投資は倉庫の取得になることが多いが、仮に扱っている荷物が将来陳腐化しても、別の種類の荷物を探してくれば倉庫は使い続けることができるので、一般的なメーカー(特定の製品に特化した工場を作る必要がある)よりも設備投資のリスクが低く抑えられる。
物流業界のバリエーション
この会社のPERは5位です。激安放置感あります。最近のコンテナ輸送料金の上昇の影響で少し上振れしてる感はありますが、それが落ちついたとしても、6〜7程度かと。
物流事業は日本全体において安定的に成長しており、仮に将来景気が悪化した時にも保有している倉庫は比較的つぶしが利きやすい設備投資なので、倒産するようなリスクは相対的に普通のメーカーでもはるかに低いと思います。つまり、ローリスクハイリターンと言えると思います。
物流倉庫への投資は最近バブル化しています。リートの配当利回りは3パー前半(PER30のように見ることもできる?)です。下手するとオフィスよりも低い利回りで評価されています。(アセットとしての評価がオフィスより上と言う意味)
先日記事を書いた丸全昭和運輸も同じような構造にあると思いますが、 PERは7で評価されてしまっています。
私は今後、こうした物流会社のバリエーションが見直されて、PER 15とか20で評価される時代がそのうち来るのではないかと思っています。事業のボラティリティがメーカーよりもはるかに低いので、リスクプレミアムが低くても許容できると思うからです。
この会社のバリエーション
5~10年保有して、利益が順調に1.5倍程度に成長し、そこで PER見直しで2倍程度に行けば、株価は3倍になります。そこまで難易度の高いシナリオではないと思うのですが。
ちなみにこの会社の株価が低迷している理由は、以下の通りかと思います。
- IRが適当すぎる
- 社名が地味
- 事業内容が地味
毎年利益が伸びているのに、しかも10月31日に上方修正の発表したばかりなのに、ここ最近の下落の仕方は、本当にひどいと思います。
なおここは丸全昭和運輸と違って、オーナー企業ではない感じです。丸全昭和運輸が PER7、ここが PER5なので、まあバランス的には両方投資してもいいかな〜と思います。
とは言え一応バリュートラップリスクもあるので、タグには「バリュートラップ銘柄」とつけておきます。