サンウェルズ(9229)の株価考察 

サンウェルズとは

介護事業をやっている会社です。2022年6月27日に上場したばかり。パーキンソン病専門の老人ホーム「PDハウス」をメニューしていて、ハイペースで拡大中。

絶好調な株価

公募1940円、初値2300円、10月14日現在の株価が6080円。4ヶ月も経たずに3倍になっています。

ものすごい成長シナリオ

上場インタビューによれば、毎年8施設新設すると言う計画を立てているようです。これは超積極的というか、個人的にはかなり不安を覚える成長路線です。

例えば、既存の大手事業者のうち、最もイケイケな会社の一つがチャームケアコーポレーションだと思いますが、そこでさえ、2020年度の新規開設は5件だったようです。ちなみにチャームケアはすでに70件以上の施設がある会社です。サンウェルズはまだ12軒しかなく、しかもそのうち6件は去年作ったばかりです。そんな会社が、今後も毎年8件新しく作るというのが、どれほどチャレンジングなことかというのがわかるかと思います。

ちなみに、具体的にどういう問題が起こり得るかと言うと、以下のようなことが思いつきます。

  • 新しい施設、ある意味、新規事業をそんなにたくさん立ち上げるだけの人材、社内体制が整っているのか?どうやってプロジェクトマネジメントするつもりなのか。普通に考えて、例えば飲食チェーン店を作るのとは難易度がだいぶ違うと思います。病気の高齢者を受け入れて、医療・介護スタッフでお世話すると言うビジネスなので。
  • 毎年世の中に出てくる、賃貸物件としての介護施設の新築物件の数には限りがあるので、他の事業者よりも早いペースで物件を抑えるためには、他より一番高い家賃を払う必要がある。
  • 従業員を集めることができるのか。最近は大手の介護事業者でも従業員を十分に集めることができずに、施設の半分を閉鎖してしまっていると言うケースもたまに聞いたりする。サンウェルズのような新しい会社に、どれほどの従業員集め力があるか…(働く側からすれば大手の方が安心なはずですよね)
  • 入居者を集めることができるのか。入居者はすぐに出て行かないか。(不満を感じないサービスを提供できるのか)

この会社の社長は、パーキンソン病に特化した施設だから、差別化ができている、ニーズがあるのだ、と言うことを主張しているようです。確かに、利益率がとても高いようで、儲かるやり方はそれなりに確保しているのでしょうが(おそらく介護報酬だけではなく医療報酬も国から取れるから、普通の介護事業者よりも売上げ・利益を大きくできるのだと思われる)、パーキンソン病って別に新しい病気でもないと思うので、なぜ既存の大手事業者が今までやらなかったのか?と考えると、何やら腑に落ちない感じがします。

しかしながら、マーケットではとても高く評価されていて(成長シナリオの実現性が高いと投資家たちが強く信じていると思われる)、上場まもなくして株価は3倍以上に爆発的に上昇しています。

投資すべきか

株価が高すぎかな…公募価格付近ならまぁ考えてもいいかなと思います。ちょっといろいろ不安です。

この会社は、アンビスと言うホスピスの大成功事例(株価も爆上がり)を連想させるようなビジネスモデルなので、投資家もアンビスと同じようにビッグになるのではないかと期待しているのではないでしょうか。同じように医療報酬で儲けるスタイルのようですし。