セレンディップホールディングス(7318)の株価考察 その2

株価について

前回、2022年1月16日の記事以来のこの会社の投稿になります。

公開 1130円 時価総額51億円

初値 1656円 時価総額75億円

2022/1/14 879円 時価総額40億円

2022/3/29 839円 時価総額38億円 

マザーズ岸田ショック・ウクライナショックで一時期700円位(時価総額32億円位)まで下落していましたが、少し戻ってきました。それでも初値の半値なんですね。まだ。

この会社の社長が以前話していたのが、自らは投資会社・M&Aと経営ノウハウを駆使して高いバリューを生み出せる会社と考えているのに、証券取引所からは7318と言うコードを与えられており、これは部品メーカーと言う区分なので、バリエーションもそういう前提にされてしまっている(雰囲気がある)のが不本意、と言う事でしたが、その辺も含めて、割安放置されている要因かと思います。まぁこの規模でしたら当然現時点では機関投資家も注目していないでしょうし、数少ない個人投資家のノリで株価が形成されている状況かと思います。

新聞記事について

あまり大した記事ではありませんが以下のような画像が公式Twitterにアップされていました。

左下に書いていますが、「コンサルティングに業務に留めていた方が収益性は高く儲かる。ただ経営者として面白くないし、それでは事業を続ける意味もない」と言うコメントをしています。

確かにこの会社は、自己資金でメーカー(名古屋圏の自動車部品系)を3社保有していますが、経営ノーハウを注入して多少収益性を底上げできている様子はあるものの、コロナの影響もおそらく大きく、利益率で1%台と低迷しており、それも今の低い株価の原因になっていると思います。

裏を返せば、以下の二点によりこの会社は利益が大幅に向上する余地があると考えます。
1.利益率の高いコンサルティング業務の拡大

2.アフターコロナ(+円安追い風)で事業環境が改善し、メーカー3社の利益率が向上する

1については、最近の決算説明会で社長がコンサルティング事業を大きく拡大していくと発言しており、株価・利益低迷対策も含めて、積極化していく方針にあるようです。

2については、事業環境が改善したときに何%位の営業利益率を取れるのかと言う事かと思いますが、デンソーやアイシンの営業利益率は5-8%前後なので、この会社が保有するメーカー3社も5%位は将来的に見込むこともできるのではないでしょうか。保有メーカー3社の売り上げは、良い時期で150億円位いきそうなので、5%なら営業利益で7.5億円といったところでしょうか。

それにコンサルティング事業で利益を上乗せして、まずは年間の営業利益で安定的に10億円以上を目指してほしいところです。

第3四半期決算発表について

以下のような記載が気になりました。結局のところ今はコロナによって生産ラインが混乱しており、それが原因で営業利益率が圧迫されていると言う状況のようです。と言う状況下で、営業利益率は1.7%。なのでやはり回復すれば3%-5%目指す事は充分可能なように思います。

また、以下の記載の通り、コンサルティング事業の従業員を4人から12人に3倍増させたようです。受注が多いと言うことなので利益率もおそらく高いのでしょう。

改めて、株価について

営業利益が10億円、当期純利益で6億円程度に将来的になったとして、その頃にPER20倍で評価されれば、時価総額120億円になります。より成長性が高いと見られてPER 30倍なら時価総額は180億円。なんとなく、数年持っていれば時価総額100億円(株価で2200円程度)は特に問題なく越えていくような気がしています。

M&A業界の会社のバリエーション

ちなみに以下、M&A会社の上場企業のバリエーションです。
日本M&Aセンター 時価総額5900億円 PER48
ストライク 時価総額905億円 PER32
M&Aキャピタル 時価総額1435億円 PER30
ブティックス 時価総額129億円 PER35

どの会社もPER30倍超えてるんですよね。安定しないM&A仲介手数料が収益元の会社ですが、やはりM&A業界というのが成長産業と思われているので、こういうバリエーションになっているのでしょう。

(余談)ブティックス(9272)について

ちなみにブティックスってコロナ直後に@1000円位で買ったことあるんですが、買った後にいろいろ調べていくと、結局M&Aの対象にしているのが介護業界に限られていて、規模が全然稼げないので手数料もしょぼしょぼだったので(M&A業界内の人に話を聞いても、(笑)と言う感じだった)、ここって全然M&A銘柄じゃないじゃん伸びしろ全然ないじゃんと思って株価が@1400位に上がったところで「おお、ラッキー!」と売っ払ったのですが、結局今は@2500になっている…(瞬間風速では@3500まで行った)

今もPER35は個人的にはありえない割高さだと思っています。

なお、ここは本当の収益源・本業は介護業界の展示会運営なのですが、その片手間でM&Aもやっていて、経営者が証券会社出身で投資家説明が上手なので、M&Aにやたらと焦点を当ててIR説明をしたら、こういう割高バリエーションになってしまったような感じがある。

セレンディップもうここのようにM&A銘柄感をうまく出していけば、馬鹿げた(?)PERで評価される可能性がワンチャン出てくると思います。