東京のマンション価格は上昇止まらない

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面白い東京23区の中古マンションマーケットの分析記事があった。まず、この3年弱で、成約単価は40%弱上昇し、その一方で在庫は20%程度減少している。(下図)

で、この筆者の提案は、「在庫が少なすぎるのでマーケットが加熱しすぎている→今は買うことを控えるべき。在庫増を待つか、年収倍率低くするために頭金たくさん入れて買うとかするべき。」と言う方向性だが、私は逆に、以下の理由から今後もっと在庫が減っていく気がしている。(なので、まだまだ強気で買うべき。)

①新規供給減。工事費高騰のせいで再開発中止とかになり新築供給が激減していく流れがある。また、最近は都内で好立地の土地が売りに出ると、ホテル開発会社が一番札で落札していくトレンドも継続。次に強いのはコンパクトオフィスで、最近オフィス家賃ガンガン上がってるから土地を高く買うこともできるようになってきている。

②今持ってる人が買い替えしにくい。次を買うにも高騰しているし、売ると売却益に課税される。これだけ急騰すると、3000万控除の節税税制もはみ出てしまう。

③固定金利で住宅ローンを借りている人が、今後の利上げで「安く借りれた」状態を崩したくなくなり、売らなくなる。実際にアメリカでは数年前の利上げの後にみんな売らなくなり、住宅価格が急騰した。ちなみに、最近は供給がとても増えたので、ようやく価格が落ち着いてきたらしい。価格上昇は供給制約のファクターが大きい(状況によっては、金利よりも大きい)と言うことがこの事例からわかる。ただし、日米で社会背景が違う点もあり、日本は固定金利で借りている人が20%位しかいない反面、アメリカは過半数よりもっと多かったはず。(詳細の数字は見つけられず)この点は留意。

④高市政権でガンガンばらまきをするので、インフレが悪化する懸念が強い。さらに、インフレ懸念をみんなが持つことで、みんなが不動産を買おうとするから、その懸念が自己実現する。

⑤ 最前線でマーケットを毎日見ている不動産仲介会社の若手やマンション分譲の会社の若手が、みんな焦って買っている。

⑥戸建すら上がってくる気配。マンションが高すぎて戸建てに流れると言う話だが、戸建てじゃぶじゃぶならマンションも価格抑制されると思うが、やはり工事費高騰でそうはならないぽい。

需給はもっとタイトになるのでは

東京23区のマンションの在庫が今19000部屋で、新築供給は8~9000部屋。

ストック面だと、三菱UFJの調査によると以下の表の通り。東京23区でまあまあまともに売買対象になりそうなマンションは築30年以内として100万部屋位と考えたら良いか。

この先は、戸建340万世帯のうち高齢化した人たちが、戸建てからマンションに住み変えたくなるだろうし、新しく東京に入ってくる地方の若者もいるし、金持ちの外国人もいるだろうから、100万部屋のストックなんて全然足りないのでは。

また、最近は工事費の高騰で再開発以外にも新築計画は中止になりまくっているので、供給はこれまで以上にハイペースで減少する気がする。すぐに年間5000部屋とかに落ち込みそう。

あと最近よくニュースでやっている転売への規制をかけようとしている件、ああいうことをやると、売らずに賃貸に出すとかに投資家の行動が変化してしまって、ますます供給が減る気がする。庶民のヒステリーに反応しただけの行政の施作は、裏目になりがち。

そうすると、今でもタイトだとされる19000部屋の売出在庫は、どんどん減少していくのではないだろうか。というか、なんで世の中にこういう今後のストックとか在庫がどういう風に推移していくかの分析記事とかあまりないんだろう??

何を買う?

今割安そうなのは、セントラルガーデン月島、パークハウス武蔵小杉タワー、豊海タワー、パークシティ小岩、といったあたりか。これから販売開始する幕張ベイパークなども狙い目な気がする。