東京のマンション価格はまだまだもっともっと上がる

前回投稿(2023/6)

前々回投稿(2021/12)

なんか今回はマンションの話と言いつつ、自分の投資観の再確認・反省をしつつ、今後どうするか考える的な長文になってます。

振り返り

2021も2023も、この先はもっと上がると予想していて、結果は的中した!と言いはりたいところですが、本心を言うと、予想よりも上昇幅が大きい。特に2024年の爆上がりは驚きました。

2024頭までは「ここから絶対上がるやろ!」と確信していて、お気に入り本の「僕たちは、まだインフレのことを何も知らない」を読んだりして、自信を深めてました。しかし最近は、2024年に相場が30から40%急に上がってしまったことから、今から買って得策なのか?と思うようになってきたというか。あと、「大手デベロッパーのJTC思考回路による安値売り」のターンが終わった感あるのが大きいかな。

なぜここまで上がる??

基本的には前回と前々回の投稿に書いた通り。以降で新しく得たアイデア等は以下の通り。

  • 東京に住んでいる子供に対する、地方の親からの贈与や相続マネーが都内マンションマーケットに入ってくることが多い。
  • 新築マンションは新築着工してから間も無く販売開始するので(いわゆる青田売り)、長いと3年後の引き渡しの物件を売買契約することになり、その際に買い手はデベロッパーに10%の手付金を預ける必要があるが、3年後にその物件が仮に暴落して買値の90%を割れていたら、買い手は10%捨てる(手付解除)だけで逃げられる。その反面、デベロッパーが、価格が1.1倍以上に高騰していたとしても、手付け2倍返し(=10%捨てる)の手付解除権を実際に権利行使する事は無い。価格高騰してて2倍なっててもやらない。なぜならレピュテーションリスクがあるため。この潜在的な不平等条約っぽい点に目をつけて、手付けを入れまくる個人投資家が増加している。(ぽい。)
  • 資産効果。ここまでマンションや株価が高騰してくると、金持ちがすごく増えていて、借り入れできる余地も大きくなっている。買える人がどんどん増えてる。
  • デベロッパーのマインドの変化。2023年位までは、三井不動産、三菱地所、野村不動産、この辺の大手は、特に簿価が安い物件とかで急に高騰した局面や周辺事例が少ない案件では、馬鹿げた安値で売ることがわりと多かった。たいていは、「着工の時に社内承認された想定利益さえ確保してたら現場は怒られないし、値上げすると販売の難易度が上がるから嫌」といった、ビジネスセンスゼロのJTCマインドがモラルハザードを起こしていた。しかし最近では、アクティビストのような株主たちにいろいろ厳しく言われるのとか、倍率が数十倍の案件が続出してSNSでバズったりで、そういう間抜けなJTCムーブを取らなく(取れなく)なってきた。
  • 中古マーケットでも、安売りする人がほとんどいなくなった。悪ノリの高値を出す人が増えた印象。金に困ってない人や、sns普及等でリテラシーの高い人の増加。
  • 2023年あたりにシンガポールで中国人富裕層に不利な制度改正があり、それが日本に流れてきた?
  • 台湾有事不安で台湾マネーがきてる?

買えていない人たちの観察

2020年頃から買っておいたほうがいいと色々な友人知人に言ってますが、全然買ってない人が複数います。私の偏見と意地悪さと、たまたま運良く上げ相場でちょっと儲かっただけなのに鼻持ちならない上から目線でくるウザい傲慢な人間性・あるいは勝手な想像による、彼らの思考回路等は以下の通りと思われます。(複数合わせ技)

  1. いわゆるデフレマインドが抜けていない。インフレが一過性のものだと心の底で信じている。理屈ではなく、(乏しい人生経験や親の「教え」に基づいた)拙い経験則等で判断してしまう。
  2. 「住宅ローンを引いてマンションを買う」と言うアクションを起こすかどうかの判断で、「重いリスクを伴う判断」だと捉えている。しかし、本質的には、「住宅ローンを引かずにマンションを買わない」と言う「重いリスクを伴う判断を継続しているだけ」と言うことに気づいていない。これは株を買わない人にも言えるマインド。JTCで真面目に必死に無価値、低価値な作業(銀行のホッチキス位置こだわり等)に専念してる系マインドと類似。ともにインフレで没落していってる側。(→他責思考で政治に期待しがち。票数少ないから救われないと思うけど。)
  3. 経済学の教科書を短絡的に鵜呑みにしている。「不動産がそんなにインフレするんだったら、政府は金利を上げるんだから、そこで値段が下がるはずだろう」とかいった、ハワードマークスのいう、投資で負ける側の人間がしがちな思考、「一次的な思考」から抜け出せない。そもそも、例えば「利上げで資産価格が下がる」とクリアに瞬時に連動するなら超簡単に大金持ちになれるはずだけど、誰もなれてないわけだが、それ系のことが延々とわかってない。
  4. そもそも自分のタイミングでしか動かない。自分が気が向いたときに「良いマンションない?」と聞いてきて、今はないと答えると、じゃあいいやと放置。こちらから、これとかいいんじゃないかと言ってあげても、「今はその気分じゃないから(実際にはこういう言い方はしないが、本質的にはこういうこと)」ということでスルー。後日,また気が向いて聞いてきて、…の繰り返し。とはいえ、こう言う性質の人は、2010~2015あたりでノリでいいマンション買えてたりするパターンもあるので、まあ感覚派ということなのかもしれません。
  5. 4に似てますが、「自分のようなエリートが成功してないのはおかしい。今のところ世界が間違っている。なのでそのうち暴落するから、そこで拾う。」というマインド。これは口には出さないけど、かなりの数の高学歴JTCが内心思ってる。あと、「もはや俺が買える値段じゃないのに、世間に買えるやつはそこまでいないはず、無理があるから破綻するはず」という世間知らず系勘違いも。

教訓など

  1. 1については、世間の多くの人が、デフレマインドから抜け出せない状況は、今もまぁまぁ変わってない気がするので、ここのギャップに、株でも不動産でも投資妙味が見つけられる気がします。
  2. 2は、人生は全て実は選択の連続だから、自分も後悔のないように選択していかないといけないとは思います。やらなくて後悔したことを残さないように意識的に動かないと、と。
  3. 3はマジメ系高学歴に多い気がします。中途半端にサラリーマンで「できる人」と思われている人ほど、やたらと債券で運用したがったりする気がします。株よりも「自分の実力が反映されやすい」とか思い込んでるっぽい。アホです。短期で勝つのは至難だし、長期で持ったら債券で株のインデックスに勝てねーだろと。(俺だけは頭いいから勝てると思っている人は多くいると思いますが)
  4. 4は、バカにしつつも、そういう私自身も不動産が売れて現金が入ったタイミングですぐ株を買いたくなってしまったりするので、「いやいや本当に今このタイミングで、この株をこれだけ買うのが妥当なのか?」と言うのは、きちんと考えておかないといけないなと思います。シーユーシーすげー高く買ってしまったし…自分が投資したい時に好機が来ているとは限らないと言うか,それはほぼない。でも株って携帯ですぐ買えるから待機資金があると軽率にポチってしまう。
  5. そもそも暴落しないし、万が一暴落したら彼らは怖くて動けないし(買えない系で、植田ショックとトランプショックで動いた人は見たことない)、今彼らが持ってるしょぼい資産(株とかに多少入れている)も落ちるので金も用意できない。

もっと上がる?

高確率で上がると思います。なんかここから本気のインフレきそうな気がする。庶民アンケート中庸値でも、来年は12%のインフレ,っていう結果らしいし。インフレマインド出てきてる。

先にリスクを言うと、選挙で自民党が負けて、立憲とか左翼的な政党がうっかり政権をとってしまい、アンチ資本主義的な政策をとってしまうことかとは思います。これやられると、特に高いマンションが下がる可能性はあると思います。株もヤバい。リーマンショックも、「金持ち証券マンを許すな!(リーマンを公的資金で救済するな)」という民衆の声でトリガー引かれたわけで。その後民衆みんな不幸になったけど。

よく言われる「実需が届かない価格になっている」というのは、2021にも2023にも延々と言われてましたが,そもそもあまり関係ない気がします。ずっと上がってるし、実需もうとっくにおらんやんと。

首都圏のマンションの供給って、年間に20000部屋ぐらいしかないですし、僻地系やスミフ・オープンみたいなボッタクリデベロッパーを除いてそれなりに買う価値のあるマンションが5000部屋ぐらいしかないとすると、一定「エリアこだわり層」がいたとしても、せいぜい参加者が10000人いたら十分なわけで。首都圏で1000人に1人ちょい。毎年複数買う大金持ちも結構いるんだから、件数足りないくらいですね。

個別案件を日々たくさん見てますが、毎月値上がりしていっている位の印象です。

最近の気づきとしては、2023頃までは,「金持ち向けの商品ほど大きく値上がりして、サラリーマンで買えるような商品は大して値上がりしないだろう」と言う予想・仮説を私なりに立てて、その方針で投資をしてきたら、今のところかなりうまくいっていますが、最近のデベロッパーの値付けを見ていると、広い部屋、高層階の角部屋など、金持ち向けの商品の方を強烈に単価を高く設定してきているので、まあ、マーケットに織り込まれてしまったなーと言う印象です。

反面、5000万くらいまでの物件はほとんど上がってないですね。参加者の所得上がってないし(それどころか実質賃金はまあやあ下がっている)、投資所得もあんまないはずですから。金持ちは金増えてるけど5000万のマンション欲しくないし。インフレでは金持ち向けのビジネスが強い。

不安

個人的には、2023年当時ほどの自信がありません。すでに安く複数仕込めましたしやや満腹感!あと、当時は「大手デベロッパーがJTC思考で激安で売ってしまう」という大チャンスでしたが、そこがもう終わってしまった感。これが大きい。当時は下のハワードマークスの「このような疑問」のフレームでも説明できてましたから。アホしか割安に売ってくれない、これに尽きますね。大きな船が舵を切って、ゆっくり方向転換をしている隙に、おこぼれを狙う的な。

Screenshot

基本的には、これ以上深入りせずに、何か他に投資妙味のあるアセットを探したいかなと思います。株考えます。

なんか最近すげー値上がりしてるのに高倍率すごいんですよね。10~20倍が当たり前。ブランズタワー大崎とか。当たりそうにない。それもやる気を失う原因。

なぜ高いのに高倍率なのか。これは理由が二つあり得ると思っていて,

①みんなが今後上がっていくことを信じているから

②①の理由について、2023頃までは私みたいな見方の不動産屋が「理屈上は自信が相当にあっても最終的に本当に実現するかの不安は抱えながら」必ずしもフルスイングしきれない中で参加してたが、今はみんなここまでの成功体験と利益・含み益を原資に突っ込んできてる感。「予算が余っている」状態。

なんか、バブルっぽい気がするんですよね。で、もちろんバブルは想定外に拡大していく可能性もあるので、今から乗っかる選択肢も大いにあり得るとは思うんですが、アクセルは緩めたい。

↓過去のブログ

ハワードマークスの本の読書感想文

インフレの本の読書感想文