エスライン(9079)⑤保有資産を細かく調べてみた

(2024/6/24 公開に変更)

隠し資産疑惑

こないだ以下の通りツイートしましたが、他にも隠し資産があるんじゃないかと思い、ちょっと真剣に調べてみることにしました。

支店を見ていく

エスラインのホームページに支店の住所が一覧となって載っています。この中には、明らかに大きな土地かつ好立地なのに、有価証券報告書の「主要な設備の状況」に掲載されてないものが複数ありました。それらのうち、特に目立つものは登記簿を見ていきました(土地を借りているだけの可能性もあると思うので)。

するとやはり、エスラインが土地所有権を持っている優良物件が4つ見つかりました。京浜支店、川口支店、京都支店、摂津支店です。どれも敷地が2000~2500坪程度あり、4つ合わせると土地時価(更地前提)は今の相場だと、なんとなく120億円位かと。

ちなみに「主要な設備の状況」は、簿価を基準として、軽微なものは記載しなくて良いと言うルールがあるそうで、エスラインは土地簿価で1900万円の城東支店は記載しているので、おそらく1000万円を基準にして、それ以下は軽微だと整理(買収検討者から資産隠し?)しているのではないでしょうか。だとして、この4支店はいずれも1000万円以下の簿価なのだろうと推測します。土地を購入した時期も全て昭和40年代だったので、当時であればその程度の値段で買えたとしても不思議はありません。

次に、「主要な設備の状況」に掲載されているすべての土地の時価(更地前提)を概算しました。合計すると、300億円ちょいの印象です。

表にまとめると以下の通り。

ちなみに、この表に乗ってこない土地は膨大にあると推測します。理由は以下の通り。

  • そもそも4支店(京浜支店、川口支店、京都支店、摂津支店)は、簿価が極めて低い。
  • 先日以下の通りツイートした通り、「主要な設備の状況」に記載の無い土地が、簿価で70億程度隠れているはず。
  • 上の表の14番の病院のように、物流拠点でない不動産の場合、そもそもホームページの支店一覧表に出てこないはず。そういうのは、基本的に私には見つけられない。例えば、浜松にマクドナルドの店舗を賃貸不動産として保有しているようだが、これも有価証券報告書にはどこにも出てこない。このような隠し賃貸不動産が山ほど(土地簿価で70億円程度。時価は未知数。)あるのではないか。

土地の含み益再確認

上で私が数えた感じでは、見えてる(買収者から隠せていない)範囲内だけで400億円以上の物流用地を持っており、隠している土地簿価70億も含めれば、500億は突破。さらに、その隠れ70億簿価の土地の含み益も考えたら…もはやどんだけ土地持ちなのか、よくわかりません。これだけ裕福で、営業利益全然出せていないって、マジで経営手腕がxxxxですね。

そしておさらいですが、以下の通り、バランスシートには、土地簿価は119億円しか計上されていません。そのため、含み益は普通に400億円とかあるはずです。

まとめ

MBO提示価格の時価総額160億円をベースとしたPBRが0.57。これはBPS2563とMBO価格1460の割り算ですが、もし上の含み益を加味すると、BPSは3600円増えて約6100円となり、MBO提示価格の1460円との対応では、PBRは0.24ですね。

ちなみにそれでは敵対的TOBが6100円とかでかかるかと言うと、買収者が土地の含み益をすべて買取価格に転嫁するのはなかなか難しいと思うので、非現実的だとは思います。それでも、ワンチャン、ロジスティードとかが4000円とか5000円とかで提案してきてくれたらええのになぁ、という感じで私は期待してます。