木村工機(6231)の株価考察

業務用空調機器メーカー

専務がインタビューに答えているが、ここで会社の事業内容が簡単に説明されている。業務用に特化して空調機器を提供しているメーカー。もともとは熱交換器に特化していたらしい。技術力は高いものと思われる。

2020/3にIPO

公募価格2400円、初値が2050円、足元の株価は1300円位。上場した当時、新興株バブルの波に乗って一時的に爆発的に上がったが、そこから利益が落ちているのと、2021/下旬からの新興市場暴落の流れに逆に乗って、株価が半値まで落ち込んでいる状況。

利益がすごく落ちている原因は?

コロナによるサプライチェーンの混乱や、原料価格の高騰が原因となっている模様。その辺が解消すれば、少なくとも今よりは利益は改善するものと思われる。

この会社のいいと思う点

  • オーナー企業である。木村専務は、木村社長の息子らしい。
  • 木村専務はもともと公認会計士をしていて、後を継ぐために20年位前に入社している。現在60歳位。上のインタビュー記事からすると、とても優秀な経営者に感じられる。特に、自社の強みとして以下の四点を挙げているが、とてもクリアな考え方ができていると好感。
    • 熱交換器を小型化・省エネ対応させることができる独自の製法と技術力
    • ほぼ全ての工程を内製化していることなどによる高品質へのこだわり
    • 空調機というモノ売りではなく、制御機器や冷温水機までをシステムで提供し、お客様が求める空気質をお届けするというコト売り
    • 現在は「風を感じない空調機」という新製品に力を入れていますが、常にチャレンジと製品開発の歩みを止めない姿勢
  • 自社株をかなり高頻度でやっており、株価を上げたいと言う気持ちが経営層にとても強くあるのが、明らかである。
  • 名前がダサイ。株価が過小評価されやすいと思われる。
  • IR がイマイチ。株価が過小評価されやすいと思われる。(とは言っても、東証スタンダード上場企業ならそこまでリソースもないだろうから、仕方ないかもしれない)
  • 営業利益率が高い。基本的には10%以上で設定している様子。
  • 上場した理由が、従業員集めの視点での知名度向上と、工事受注のための知名度向上を狙っていると言う事で、インチキ資金調達系の会社ではないと言う点において、安心感がある。
  • 今ちょうど生産能力を高めるために投資をしている。工場の新築、改修。経営陣は業績を拡大できると自信を持っていると考えられる。
  • 販売実績のホームページを見ると、ちゃんと見極め能力のあるであろう大企業等から、高く評価されて採用されていると言うことが見てとれる。
  • 高品質な空調機器と言うものは、将来的にも安定的なニーズがあると思う。仮に新築が多少減ったとしても、改修のニーズは今あるストックに比例してあるはずなので。ちなみに、一般的に空調設備は新築から30年目位で交換しないと壊れてしまうので、その都度仕事が出てくる。

この会社の良くないと思う点

  • 流動性がなさすぎるので、なかなか買い増せない。本日現在、関心を持っている投資家が世の中にほぼいない。
  • 上の理由により、株価が見直されて上がっていくまでには一定の時間がかかると考えられる。すぐには上がっていかないはず。利益の大幅な成長が見えることが必要。ニーサ向きかもしれない

株価の想定

コロナに入る直前のEPSが360円程度。設備投資系の業界なので、今後も波はあると思うが、良いときにはEPS 400円位行くタイミングもあるだろう。その時に PER20で評価されれば株価は8000円。そこまでいかなかったとしても、5〜10年放置できるなら、5倍位(1300円→6500円)の株価が実現される可能性はそれなりにあるような気がする

ヴィスコ・テクノロジーに似た感じもする会社。コロナで当面落ち込んでいるが、今後の回復に期待できる銘柄と言う意味で。ただしこの木村工機のほうはファブレスではなく自社工場を持っているメーカーなので、売り上げが伸びていくと、劇的に改善していくことが期待できる。逆も然りだが…(赤字が広がりやすい)