ジャパンワランティーサポート(7386)の株価考察

概要

住宅設備機器の延長保証事業を展開している。日本リビング保証と基本的に同じ。でもBPO、ストックビジネスではない単発的に利益を上げる領域はこれから着手する予定。つまり伸びしろが大きい。

住宅設備機器(トイレ、洗面台、バスタブ、システムキッチン、給湯器、浴室乾燥機など)は、メーカーの保証が2年位だけ付いているのが一般的で、ということは3年目以降に故障しても保証してもらえないので、個人の住宅購入者はそこに不安を感じるので、そこでこの会社が、3年目から10年目の保証商品などを提供するというビジネス。

その保証商品を、自ら一般消費者向けに営業活動しているのではなくて、BtoBで、ハウスメーカーとかに営業かけて代理店営業をしているところがこの会社の特徴。(日本リビング保証と同じ方式)

公募割れ

2022/6/23上場、初日は公募1640、初値1480、1235で引けるという、悲惨な展開となった。おそらく要因は、他に上場する会社がたくさんありすぎたこと、この時マザーズ指数が600円台前半で新興市場が死んでいた事、社長の見た目(詳細後述)と説明の問題があると思います。

上場理由

この社長インタビューに全て書いてあるんですが、この会社は資金調達は全く必要ありません。あくまで信用力を高めるために上場しています。私の好みの上場理由です。上場ゴールではないということですから。資金調達も12億円位しかしていない。(時価総額33億円位)

ちなみにこの社長インタビューは10回以上読み返しました。この社長は超有能だと感じました。

良いと思う点

  • ビジネスモデルが優れている。やってる事は日本リビングと基本は同じ。
  • 社長インタビューで、日本リビング保証をディスりまくっている。成功している先行競合企業へのライバル心、敵愾心、自分の会社はそういうテキトーな事、短期目線での、後々苦しくなりかねないような利益成長演出はしませんと言う気概(モラル)、全てにおいて素晴らしい。
  • 上場タイミングの悲惨な間の悪さ、かつ、社長の見た目の問題(なんで髪型ツーブロック?写真の表情も怖い。個人投資家からしたら印象悪い気がする。株価上げる気ある?笑)により、株価が割安放置されている。
  • 社長インタビューが、彼のビジネス上の問題意識をクリアに適切に細やかに説明してくれているものの、多くの個人投資家(わかりやすいキラキラしたストーリーを求めている頭の良くない人達)に響くような配慮が全くなされていない。→株価が不当に割安に放置される土壌を経営者が作ってしまっている

日本リビング保証をディスる

上場インタビューで以下斜字部分のようなコメントをしています。日本リビングが去年大きな単発利益を上げた太陽光発電のことを、わざわざクソだと暗に言ってしまっています。こーゆー大人げないところがこの社長の魅力的なところだと個人的には感じます。本物は俺だという気概。先行している上手い競合への敵愾心。インテリエリートの日本リビングの安達社長(東京工業大学工学部卒業後、三和銀行(現三菱UFJ銀行)でトレーダー。MUFGのOB界隈でも頭が良くて有名な人。)へのコンプレックス。

―太陽光発電の設備は対象ではないのか
太陽光発電については、メーカーがもともと10年保証を付けているので、今のところやっていないし、今後も考えていない。

―基本的に10年間を超えたものは今後も手を出さないのか
メーカーが10年で機器が壊れるという設計をしているので、10年以上の保証についてはリスクしか出なくなる。

日本リビング保証との比較

公募 日本リビング 時価総額27.5億

   JWS 時価総額34億

初値 日本リビング 時価総額79.7億

   JWS 時価総額31億 引け26億

現在 日本リビング 時価総額112億  PER 16

   JWS 時価総額35億  PER10.3

日本リビング保証がBPO(単発案件)による利益であったり、太陽光発電保証(ドーピング的利益。将来に禍根を残す?)を使った上でも、つまり、伸び代ネタをまあまあ使った後でもなお、PERで16倍という高評価をしてもらっていることに対して、単発案件もドーピング的案件もまだ扱っていないのに PER 10倍でしか評価してもらえないJWS。上場タイミングの運不運があるとは言え、社長のルックスや説明力の差が如実に出ていると思います。

あと、IPO後に株価が大きく上がっている会社って、社長のインタビューが個人投資家の感情に訴えかけるような話が多い気がします。例えば若い頃に苦労して、社会貢献したいと言う気持ちを強く持って、人助けの為にこの事業を始めることにした、など。(ビジネスの内容説明には突っ込むところが多くても、株価が爆発的に上がったりする)その反面、JWSの社長のインタビューは、具体的なビジネスの成功に向けた実務的な話しかないんですよね…(そこがすごくいいと思うけど)

株価の見通し

足元はアメリカも日本も株価は下落トレンドにありますし、全体の先行きはよく分かりませんが、とりあえず私個人としては、日本リビング保証の株を全部売却して、そのキャッシュをこの会社に全部投資しました。