インフレについて その2

レイ・ダリオ「現金はゴミ」

  • 現金に対して全ての物の価値が上がっている
  • 今生きている人が見たことのない、1930~1945に起こったことがもう一度起ころうとしている。現金が行き場のない状態になっている。
  • 我々は自力で稼いだお金、つまり税金よりも多くの金を使うことができている。なぜなら、それが出来るし、かつ、そうせざるをえないので。つまり、公共設備への投資や社会的再配分の必要があり、それは税金だけでは賄えないので、紙幣の発行により賄わざるをえない。そのため、皆がお金がもっともらえると言うことが起こる。だからお金の価値はどんどん減っていく。
  • 現金で置いておいても(銀行預金)、インフレを埋め合わせするだけの金利を得る事は決してできない
  • 簡単に低金利で借金ができるので、企業と個人(民間)が借金しすぎで、何かの弾みで(コロナ等)債務危機が起こると、中央銀行が資金発行で救済する→現金の価値が下がる
  • 株価が上がっているのではなく、現金の価値が下がっている。
  • 株価は毎日値段が示されるので、価値の上下に人は一喜一憂するが、現金の価値の変動は数値で示されにくいので、人は現金を持っていると安心してしまう。
  • 株への投資から期待されるリターンが、現金から期待されるリターンより高くなる局面では株式投資をすべきで、まだ今は株式投資から期待されるリターンの方が高い。2つのリターンの差が大きいほど株式投資の安全率が高いと言うことになるが、今のアメリカのマーケットでは安全率が以前よりは狭くなっている。
  • ドルの価値は基軸通貨になってから70年間ずっと下がり続けている。金を刷れるから。

チャーリーマンガー(バフェットのパートナー)

  • お金を印刷しすぎれば、いずれひどい問題が起こる。
  • コロナでアメリカでは大量の資金供給がなされたので、いずれ経済にひどいことが起こる可能性があるが、非常に興味深いのは、どういうことが起こるのか、誰にも予想がつかないということだ。
  • また、いろいろな恐怖に満ちたシナリオが想定されていたが、結果を見ると、それらがかなり誇張されていたと言うことが明らかになった。例えば、日本は以前の基準では考えられなかったほどの紙幣印刷をしたが、不思議と今でも文明国として成立している。
  • とんでもない有利子負債を抱えていても、返済については無利子で行っていると言う、極めて投機的な状態にある。
  • これは政治家にとってもとても魅力的な状況だと考えられる。利子を払わないでもお金をたくさん刷れる。天国のような状況だ。
  • あまりに魅力的な手法だったため、日本を始めとして、アメリカ、ヨーロッパで大量の紙幣が発行された。日本では中央銀行が債券だけではなく株も買ってしまっている。
  • それでも日本では今のところはインフレが起こっていない。政府主導での極端な資金供給が行われているにもかかわらず、いまだにひどい結果には至っていない。その理由は、マクロ政策の影響ではなく、競争環境の激しさや、中国や韓国から安い輸入製品が多く供給されたことによると考えている。
  • アメリカでは70年代にインフレ対策でボルカーFRB議長が金利を急激に上げた結果、悲惨なリセッションが起こった。今では政治家が干渉していくので、ボルカーのような議長は就任させないし、金利をボルカーのように20%とかまで激しく上げる事は今のパウエルにはできない。当時と今のやり方、どちらが良いかはわからない。しかし今のやり方ではインフレの抑制はどこまでできるか疑問。過去とは違う結末が待っているだろう。
  • 個人投資家は、優れた会社を見つけ、その株を長期保有しておくことができれば、財産を守る最善の方法になる。

ウォーレンバフェット

  • 現金はどんな時でも最悪な投資と言える
  • 現金は何も生み出さないし、時間とともに価値を減らしていく
  • キャッシュよりも優れたビジネスの株を保有している方がハッピーだ