テンバガー株の探し方

こういう記事はネットにいろいろあるので、以下にいろいろ整理してみます。

「四季報の達人」が教える10倍株探しの4条件

この記事によると、具体条件は以下の通り。

  1. 売上高の成長率が年間20%以上(売り上げが4年で2倍になる位のペース)
  2. 営業利益率が10%以上
  3. オーナー企業である。社長と筆頭株主が同一人物であるか、筆頭株主が社長の資産管理会社。
  4. 上場してから5年以内の会社。

個人的には、3と4はセットなことが多いと思います。
また、もしサラリーマン社長なのに1と2が実現できている会社があるとすると、それは業界によほどの追い風が吹いている&その会社の強みがどハマりするような状況だと思うので、普通にアリな気がします。

上の1~3の条件を満たしつつ、PER等の指標で割安な株を探すのは基本的には至難ですから、4で、「まだマーケットから真の価値が気付かれずに割安放置されている会社」を探すための条件付けをしている感じかと思います。

この条件に該当していたテンバガー株は?

後付け感ありますが、どこの会社が過去に上の条件に該当してたんだろうと考えると、例えば…

  • セリア。2003IPO。実は100均の会社の中でここだけ利益率がダントツで高い。時価総額も競合の「キャンドゥー」や「ワッツ」の10倍ぐらいあったりする。ここが競合も買収してしまえばいいじゃんと思ったりする。
  • アークランドサービス。2007IPO。「かつや」運営。値段の安いカツ丼屋で、一杯500円台のとろに、毎回100円引き券をつける。その券の使用率が驚異の50%。→リピーター確保がうまい。オートフライヤーで未経験スタッフでも上手に揚げられる仕組み作り。これを直営ではなくフランチャイズメインでやるビジネス。コスパ系飲食チェーンでハマると株価の成長が大きい(*)と言う典型例。(*)デベロッパーから出店しましょうと言うオファーがどんどんくるから売上はどんどん上がっていくし、超低金利で何か飲食事業ちょっとだけやりたいなー程度の金持ちは全国にいるからフランチャイジー希望者を見つけやすいし、仕入れの価格交渉力もスケールメリットが効いて劇的に改善していく。
  • トリケミカル研究所。2007IPO。半導体の微細化技術で高いノウハウ。リーマンショックの後に半導体業界がどん底に落ちた時からの今までの上り方は100倍近い。
  • チャームケア。2012IPO。介護施設運営会社で、他社よりも圧倒的にアグレッシブな出店姿勢→売上成長ペースも早かった。不動産デベロッパー業界では、とりあえず介護施設適地(例えば、人気なエリアだがマンションを作るには駅から遠すぎる土地。→要介護高齢者は通勤をしないので。)が見つかれば、1番家賃を高く示してくれるチャームケアに相談に行くと言うトレンドがある。(個人的には家賃を頑張りすぎなので逆回転しはじめると怖い)
  • 神戸物産。2006 IPO。業務スーパー運営会社。店舗数が急拡大したのは周知の通り。小売業でハマると株価の成長が大きい(*)と言う典型例。(*)デベロッパーから出店しましょうと言うオファーがどんどんくるから売上はどんどん上がっていくし、仕入れの価格交渉力もスケールメリットが効いて劇的に改善していく。
  • 丸和運輸機関。2014IPO。2017にヤマト運輸がアマゾンの仕事を儲からないからやりたくないと言い出した時に、代わりにうちがやりますと引き受けて大躍進した。配送員は正社員ではなく「業務委託で雇う」ので、しっかり利益を抜けるシビアでシャープなビジネスモデル。
  • 前田工繊。2007IPO。河川や道路補強等の防災工事の会社。リーマンショックのどん底からの、アベノミクスで仕事が増えまくりで株価が爆上がりした。M&Aを積極的にやっていったことも効果的だった。
  • CTS。2002IPO。建設系の測量機器などを売っている会社。時価総額10億切りから、今は時価総額300~400億円まで成長。地味だけど着実に売り上げがずっと伸びてきた感じ。今でも売り上げ100億、営業利益20億円位の中規模の会社。驚くような優れたビジネスモデルとかも特に感じないので、逆に、ここで挙げた中で1番すごい気がする。
  • フジ・コーポレーション。1999IPO。タイヤとホイールを東北関東中心に売っている会社。全国で25店舗。東日本大震災ぐらいまでは株価は100円前後をウロウロしていたが、今は1200円位の株価になっている。売り上げは300億円少々で、営業利益率は10%位。この会社の特徴は、タイヤとホイールだけで売上の90%を占める点にあるらしい。普通のタイヤ屋さんでは、売上の20%にとどまるのが一般的とのこと。高級品ではワンセット150万円位のものも扱っているとの事。ニッチな分野で差別化をうまくやったことが成功のカギか。→インタビュー記事

SBI証券の記事

この記事「新興株ウィークリー」は、以下の条件を満たす株式が、テンバガーの候補であると書いていました。


(1)東証マザーズまたはジャスダック上場銘柄であること。
(2)時価総額1千億円未満の銘柄であること。
(3)過去3年間連続増収となり、年平均増収率が10%以上の銘柄であること。
(4)過去3年間連続経常増益で、特に前期は20%以上の増益率であること。
(5)前期の売上高経常利益率が10%以上の銘柄であること。または今期、10%以上の見通しであること。
(6)2020年に新規上場した銘柄であること。
(7)今期が増収で経常増益予想(会社予想)の銘柄であること。


まあまあ「四季報の達人」と似てる気がします。結局やろうとしている事は、成長性の高い株だけれど、まだ注目が集まっていないため割安に放置されているものを探そう、と言う事かと思います。

ピーターリンチの銘柄選定方法

①面白みのない、または馬鹿げている社名 
機関投資家が買おうとしないので、割安で放置されやすい。

→これは今でも通用する理屈だと思います。「応用技術」とか「信和」とか…「神戸物産」「丸和運輸機関」とかもこっち系ですね。

②代わり映えのしない業容 
プロが注目しにくく割安放置確率が高い。

→上と同じく今も通用。

③必ずしも感心しない業種 
アナリストが推奨しにくい。

→上と同じ。でも最近こういうのあまりないですよね。強いて言えば消費者金融とかでしょうか?

④分離独立した会社 
大企業による独立部門は、失敗により親会社の評判が傷つかないように良好な財務内容を持っていることが多く、独立するに十分な備えを持っている。

→日本では最近親子上場が批判されているので、あまりない気がします。Gxxグループがやってますが、評判を気にしないグループなので、手を出さない方が良い気がします。

⑤機関投資家が保有しておらず、アナリストがフォローしていない会社 
こうした投資対象外の銘柄の場合、割安に放置されている確率が高い。

→これは今もアリかと。

⑥悪い噂がある会社 
評判が悪いだけに、投資対象としては放置される傾向が強い。

→これは例えばオーナー社長が仕事にはそこまで影響のない不祥事を起こして株価が暴落しているようなタイミングを狙えば良い、といったことかと思います。

⑦気がひける業態の会社 
たとえば葬儀屋など、機関投資家などが敬遠するような銘柄もねらい目と考える。

→3と同じ??

⑧無成長産業 
無成長産業は、新規参入が少ないため競争の心配がなく高収益を確保することが可能である。

→これは今もアリかと。というか、DX系のイケてる分野の会社は大体カッコつけてるだけで中身が伴わないことの裏返しかと思います。

⑨ニッチ産業 
独占事業で参入障壁が高く、価格決定権を握る事が容易である。

→これも今もアリでしょう。オリエンタルランド(ディズニーランド)とか?

⑩継続的な購買を提供する商品 
医薬品や食品など、常に継続購買の対象となる商品を扱う企業。

→そりゃそうですよね

⑪テクノロジーを使う側の企業 
テクノロジーのビジネスプロセスへの反映によりコスト削減が図られる。

→これいい視点ですね。例えば、ネット回線がどんどん速くなってきて、動画配信ができるようになったことで、YouTubeやニコニコ動画がサービスとして成立したようなことでしょうか。

⑫インサイダーが好んで買う株 
会社の経営層をはじめとする層が自社株を買っているのは、その会社が上手く行っていることの証拠である。

→日本で言うと、オーナーが株を売っているのはやばい感じがします。

⑬自社株買い銘柄 
株主に報いる最も簡単で最良の方法である。

→最近は日本でも自社株買い増えましたよね。

上の株は今あるのか?

もちろんたくさんあるでしょうが、こういうのを割安に買えるチャンスと言うのは極めて少ないように思います。
2022年の年明けからマザーズがいい感じに暴落してきたので、何とかチャンスを探したいと思います。