丸八倉庫(9313)の株価考察

丸八倉庫とは

四季報によれば、首都圏を中心に仙台にも倉庫を持っている会社。文書保管業務を拡大している。不動産事業をもう一つの柱にしようとしている。

株価について

2022/1/7終値で694円。時価総額で50.6億円程度の会社です。営業利益で7億円程。一株当たり利益で75~80円程度なので、PERは8~9くらいです。配当性向は20%いかない位です。ほぼ無成長なんだから30%は最低限出すべきじゃないかな…

日本特有の、ガバナンス不全系・含み益膨大系の上場会社です。TOCに似てる気が。うーん。

経営方針の中に、収益不動産を取得して利益の底上げにつなげたい的な記載があり、いかにも不動産業者に騙されて高値づかみするのが目に見えているので、やめたほうがいいのにな…と感じました。(配当か自社株しろと。)

400円に落ちたら買いたいです!

江東区の大地主

清澄白河駅から徒歩6分の好立地(下の地図参照)に敷地面積で約3600坪の倉庫を持っています。有価証券報告書を見ると、簿価は180万円ですが、マンションデベロッパーに売却するならおそらく坪200~300万円位になると思います。約72~108億円ですね。今の市況なら、物流デベロッパーに売却しても同じ位の値段にはなると思います。

しかしこの超好立地で、まさかの文書保管事業をやっているそうです。業務の難易度は低いでしょうが、収益性も低いビジネスです。どう考えても千葉や埼玉の郊外など、もっと土地の値段が安いところでやるべき事業です。(しかも、川の横でやるなよw)

今となっては周りに住宅地が広がってしまっているので、家族連れが歩いている横でトラックをたくさん走らせているのも、今日的にはどうなの?と言う印象の会社です。(昔からいるのだから勝手にさせてもらうと居直るのも、なんか苦しいと言うか。)

これ以外にも、清澄白河駅から西側に歩いてすぐのところに、昔から持っている土地の有効活用で賃貸マンションを作って、家賃収入を得ていたりします。あと、若洲、所沢、草加など、物流一等地に自社倉庫を持っています。

オーナー社長だが株価を上げようという意欲が無い

この会社の問題は結局ここに尽きると思います。社長のインタビュー(末尾にスクショ貼り付け)を見ても、株主や顧客よりも、従業員を1番に優先するという、激ゆる発言をしています。資本効率の低い経営状態が今後も継続することが見込まれます。

ちなみに筆頭株主である尾張屋土地と言う会社のホームページを見てみると、峯島さんがオーナーのようなので、峯島一族の会社だと考えていいと思います。

敵対的買収対策もしっかりやってるようなので、大きな変化は期待できないと思います。典型的なバリュートラップにはまりそうな銘柄です。

買いなのか?今後の展開は

今のPERが8~9で、PBRは0.4くらい(実質的PBRは0.1切る?)なので、一般的には割安と言って良い水準だと思います。しかしバリュートラップにはまりそうな懸念も。以下の展開に期待するしか無いか。

  • 経営者が代替わりする。かつ後継者が経営・株価に意欲的。
  • アクティビストファンドが株を5~10%くらい買って、配当を増やせなどと圧力をかける。でも浮動株9%ぐらいしかないんですよね…
  • IRが面倒なのでMBOしてしまおう!となる。→30%位のプレミアがつくか。